作業療法士は病気や怪我で生活自体に支障をきたした方に関わる場合が多いと思います。
そんな方々がどのような状況におかれているかを判断し関わるために色んなことを評価していきます。
そもそも、作業療法士の評価とはなに?という方もいるかと思います。専門用語でいろいろ書かれて意味が分からない・わかりずらいと思いますので出来るだけわかりやすいようにまとめていきたいと思います。
作業療法士の評価の種類は無数にありますので概念をまとめたモデルがあります。そのモデルにそって評価を進めていきます。そのモデルを利用しながら他にもこんな評価をした方がいいななど考えながらヒトを評価していくんです。
今回は、 世界保健機構(WHO)による概念モデルのなかでもICFについてまとめています。
- 国際生活機能分類(ICF)を簡単に知りたいヒト
- 作業療法士になりたいと思っているヒト
- 作業療法士の仕事内容を知りたいヒト
- 作業療法士が好きな人
【作業療法評価】国際生活機能分類(ICF)とは
作業療法士の評価は世界保健機構(WHO)による概念モデルの2つを活用して評価をすすめているんですよ。
モデルっていうのは、こんな風にまとめていけば一人の人をもれなく評価してまとめることができますよという感じのものです。
ちなみにその概念モデルは以下二つがあります。
- 国際障害分類(ICIDH)
- 国際生活機能分類(ICF)
この二つのモデルを簡単に説明すると、ICIDHはどのような問題がおこっているのかをまとめたモデルです。そしてICFは問題だけではなく出来る部分も評価しているところが大きな違いです。
いまではICFのモデルを利用して評価をすることが一般的となっています。
今回は、国際生活機能分類(ICF)の6つの項目を解説していきます。
6つの項目はこちらです。
- 健康状態
- 心身機能・身体構造
- 活動
- 参加
- 個人因子
- 環境因子
それでは、各項目の解説を見ていきましょう!
【作業療法評価】国際生活機能分類(ICF)の6つの項目を解説
健康状態
「イテテ、肘をぶつけてけがをしたかもしれない」
「腕が動かなくなっちゃった」
こんな状況をイメージしてみてください。
例えばこのように腕を怪我した方を健康状態という項目で観た際の評価です。
肘の怪我が骨折なのかただの打撲なのかなどの診断名を調査します。
腕の怪我が注目すべき評価項目であることは間違いありませんが、その怪我だけでなく以前なにか病気していないかもチェックします。
たとえば既往歴(昔に病気をしていたということ)で、脳卒中という脳の病気をしていた。心臓の病気があるなどです。
また太っている、高血圧だ、妊娠している、ストレスがひどいなどもです。
さらに、肘をぶつけてからどのくらいの時期が立っていて痛みの経過はどうなのかなど病気や怪我のいままでの経過や今の状態についても詳しくチェックします。
心身機能・身体構造
筋力は十分にありますね。肘の関節は問題なく曲げ伸ばしできますね。
このように、体の状態はどうなっているのかを評価していきます。
以下は心身機能・身体構造の一部をのせてあります。ほかにもいろんな評価項目がありますので、今後まとめていきたいと思います。
- 心身機能は、手足の動き、視覚・聴覚、精神面の状態など
- 身体構造は、手足の関節の構造、靭帯、胃・腸、皮膚などの体の部位の状態など
活動
「ご飯おいしいな!」
簡単に言うとどのようにご飯を食べることが出来ているのかを評価します。
例えば、食事ですがテーブルの上におかずやおつゆなどがあり、椅子に一人で座って、右手で箸を持って左手にご飯ちゃわんを持ってこぼさないで食事が出来てる!
こんな感じで評価していきます。
主に日常生活を営むために必要な食事や着替え、入浴などのADLや料理や洗濯などのIADLなどがあります。また、仕事や遊び、スポーツなどもあります。
また、その活動がどの程度できるのかをまとめた評価項目があり点数化することもしています。
例えば、ご飯を一人で問題なく食べれているので10点といった感じです。
評価方法については各活動ごとに今後まとめていきますね。
参加
「駅の広場を使って何かイベントを企画したいんですが何かありませんか?」
このように地域住民とイベントを企画する司会を行っている。
このような地域での活動をしていることも参加という評価項目として評価します。
主に地域・家庭の中での何らかの役割を評価します。
家庭内の家事の役割の他にも地域行事の参加、地域の囲碁クラブ、趣味・スポーツへの参加などが項目として挙がってきます。
個人因子
「みなさん、こんにちは。このたび総理大臣に立候補したものです!」
この個人因子という項目は、本人の年齢、性別、BMI、学歴、職歴、職位、モチベーションや情緒などを評価していく項目になります。
このヒトを評価してみると
たとえば、文部科学大臣12年という職務を遂行してきた。現在、総理大臣に立候補している60歳の男性、東京大学卒業。日本の未来を考えまい進していくことが生きがいでやる気がみなぎっている。
みたいな感じです。
環境因子
「物的環境」「人的環境」「社会制度的環境」の3つの環境があり、この3つに沿って環境因子を評価していきます。
物的環境
- 自宅に階段や段差がある
- 自宅前の道路の交通量が多い
- 最寄りの交通機関などにエレベーアー、手すりがある
人的環境
- 家族構成が5人家族(本人・夫・息子・嫁・孫)で生活援助が依頼できる
- 近隣に友人あり
- 職場のスタッフとの交流が深い
社会制度的環境
- 日本国憲法などの法律
- 医療保険あり
- 介護保険あり(要介護2)など
まとめ
作業療法士の評価は、国際生活機能分類(ICF)というモデルを利用しながら評価を進め、一人のヒトをまとめ分析していきます。
ICFは以下の6つの項目に分かれています。
- 健康状態
- 心身機能・身体構造
- 活動
- 参加
- 個人因子
- 環境因子
このICFのモデルを利用しながらヒトを評価し、まとめ、分析しているんです。
作業療法士が行っている評価ですが、少しでもわかっていただけたら幸いです。
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