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お仕事

作業療法士(Occupational Therapist:OT)とは

作業療法士を知っていますか?

こんなヒトに読んで欲しい
  • 作業療法士を知りたいヒト
  • 作業療法士になりたいと思っているヒト
  • 作業療法士の仕事内容を知りたいヒト
  • 作業療法士が好きな人

作業療法士とは

作業療法士は国家資格です。

英語で「Occupational therapist」と言いって、頭文字をとって「OT」と現場では言われています。
作業療法士の「作業」とは、ご飯などを食べたり着替えをしたりお風呂に入ったり、掃除・洗濯などの家事やあらゆる仕事、趣味活動など人が関わるすべての活動のことを「作業」といっているんです。

病気やけが、心の病気、認知症など、様々な問題によってその人らしい「作業」が行えなくなったとき、その「作業」に着目して関わります。

  • 基本的動作能力(運動や感覚・知覚、心肺や精神・認知機能などの心身機能)
  • 応用動作能力(食事やトイレ、家事などの日常で必要となる活動)
  • 社会的適応能力(地域活動への参加、就学・就労など)

また「作業」を通じて人や社会に参加できるように援助しているんです。

  • 環境(人為的環境、物理的環境、社会的環境)の調整
  • 社会資源や諸制度の活用の促進など

その人らしい「作業」の獲得をサポートしているんです。

作業療法士の特徴について

作業療法士の特徴は、こころとからだのリハビリテーションの専門家なんです。


こころに何らかの障がいがおこり、歯磨きの方法が分からなくなってしまったヒトに、どうしたら1人で歯磨きができるようになるのか、歯磨き動作を分析してどの部分で混乱しているのか、どうしたら悩まないでできるようになるのかを一緒に考えます。


からだに何らかの障がいがおこり、上手く手が動かなくてご飯が食べられなくなったヒトに、どうしたら1人でご飯が食べられるようになるか箸やスプーンの使い方、お椀の持ち方、食器の工夫など行います。また箸やスプーンを上手に使えるように手の動きを練習します。

その人らしい「作業」ができるように、こころとからだの両方の問題に「作業」を使って関わり良くしていくのが作業療法士です。作業療法士は、リハビリテーション専門職の中で、統合失調症や気分障害などの精神障害がある方への治療が行える唯一の職業です。

作業療法士の対象について

こころからだも、こどもからお年寄りまで、すべてのヒトに関わるんです。

日常生活に手助けを必要とするすべての人が作業療法の対象です。
人生のあらゆるステージで、「作業」を通じて、人と社会のつながりをつくります。

  • こころの障がいを抱えたヒト
  • からだの障がいを抱えたヒト
  • 高齢になって生活が難しくなってきたヒト(介護予防教室)
  • こどもの発達や環境の問題を抱えたヒト
  • 障がいによって仕事が出来なくなっているヒト
  • 住み慣れた家で生活が難しくなっているヒト
  • 障がいによって生活が出来ないヒト(福祉用具支援)
  • 認知症によって生活が難しくなっているヒト

作業療法の過程

作業療法の処方・依頼・紹介

病院ではお医者さんからの処方されます。病院退院後の地域生活の場ではケアマネジャーさんや行政機関のかたから依頼や紹介されます。

こうして作業療法士は作業療法が必要なヒトや家族と出会うことになるんです。

対象者との関係作り・説明と同意

作業療法を開始するにあたって、どんなことをするのかを対象となるヒトや家族に説明します。

簡単に内容を話すと、今は手が動かなくてご飯が一人で食べれないようなのでご飯が食べられるように練習していきましょう。いいですか?

※実際はもっとしっかりリハビリテーション計画書という書類を準備して説明をしサインをもらい同意を得ます。

作業療法評価

ここから本格的に関わるヒトについて深く調査していきます。

まずは、直接関わるヒトに合う前に十分な情報を得ておきます。

具体的には、カルテや記録、カンファレンス、他部門からの情報などを行い整理します。

次に、観察および面接に入っていきます。直接さわる前に、どんな動きをしてどんな生活を送っているのかを観察します。また、本人及び家族等との面接を行い関わるヒトの寝返れるかな?起き上がれるかな?などの基本的能力・ご飯食べれるかな?トイレできるかな?など応用的能力・人との接し方はどうかな?など社会的能力・生活する住宅の状況はどうかな?など環境要因・性格はどうかな?など個人特性などを把握するんです。

とにかく関わるヒトを徹底的に分析する情報を集めるんです。結構大事なところ。

ヒトは一人一人まったく違うので関わるヒトを知ることが作業療法士として重要だと思っています。

ここから、標準化された筋力や関節の動く角度など検査測定していきます。また、ご飯の食べ方や歯磨きのしかた、トイレのしかたなどの生活関連技能・今のこころの状況や障がいによる脳のダメージによる影響など心理社会的要因などの調査を行うんです。細かくいろいろ検査していくんですよ。

そして、評価した情報をまとめてどんなイイところがあるのか、どんな課題を抱えているのか、さらには対象者と対象者を取り巻く環境の全体像を把握します。

とにかく徹底的に関わるヒトのことを理解することから始めるんですよ。

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目標設定と作業療法計画の立案

  • 到達可能な最終目標 ⇒ こんな生活を送るという目標を立てます。家でトイレに一人でいけて留守番もできるなど
  • 長期目標 ⇒ 長くても半年くらい先の目標で作業療法を終える時期までの目標を立てます。トイレに一人で行けるようになるなど
  • 短期目標 ⇒ 長くても2か月くらい先の目標で立てます。まずは、お手伝いを受けてトイレに行けるようになるなど

作業療法の実施と再評価

解剖学や生理学、運動学などに基づいて筋肉はこういう風についてて関節の動きはこう動くからなど考えながら作業療法を実施していきます。

定期的に、どのくらい変化してどのくらい出来るようになっているかを評価します。

その評価をもとに、また目標を見直し関わっていきます。

作業療法の終了・フォローアップ

病院生活は必ず期限がきます。退院となった際は家で暮らす場合に家で生活できるように環境を整えるお手伝いもします。

また、地域でも作業療法は受けれますので受ける場合はその新しい場所での作業療法がスムーズに引き継げるように申し送りなどをしていきます。

地域で行う作業療法では在宅での生活場面で直接自宅のトイレでの練習して在宅生活を支えていきます。

まとめ

作業療法士とは、国家資格でこころもからだもこどもからお年寄りまでを対象に作業を通してより良い生活が獲得できるように一緒に考えるのが作業療法士です。

深く関わるヒトのことを理解すること、これが作業療法の関わりの始まりです。

どんなイイところがあるのか、どんな課題があるのか、を一緒に考え作業を通して解決していくのが作業療法士です。

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KOJ
・「KOJのボッチャ教室」のブログ管理者 ・作業療法士 ・ボッチャ指導者 ・女の子と男の子の二児の親

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