『仕事が大変です』と言われて気づいた、施設長になって変わった考え方
仕事をしていると、「毎日疲れるなぁ」と感じることがあります。
特に介護や看護、リハビリの仕事は、人と向き合う分だけ体力だけでなく気力も使います。
先日、職場の新しい介護スタッフさんと話をする機会がありました。
その言葉を聞いたとき、昔の自分ならただ共感して終わっていました。
でも施設長という立場になった今は、少し違う視点で考えるようになりました。
今回は、新人スタッフとの何気ない会話から感じた「立場が変わることで見える景色の変化」について書いてみたいと思います。
ある日の出来事

職場に新しいスタッフが増えた。介護職の男性スタッフさんだ。
更衣室も一緒なので、顔を合わせる機会があり、何気なく声をかけてみた。
「仕事は慣れましたか?」
すると、少し苦笑いしながらこんな返事が返ってきた。
「毎日が大変で、休みの日は疲れて何もできてないです。」
「疲れをとるために寝ていますね……。」
その言葉を聞いた瞬間、転職して働き始めた頃の自分を思い出した。
慣れない仕事環境、人間関係、利用者さんとの関わり、覚えることの多さ。
家に帰ったらご飯を食べて寝るだけ。
休みの日も気づけば一日が終わっている。
介護や医療の仕事をしている人なら、一度は経験したことがある感覚ではないだろうか。
当時はこう考えていた

施設長になる前の自分だったら、こんな風に考えていました。
「ほんと仕事って大変だよな。」
「介護さんたちの仕事内容もきついし。」
「そんなに無理しないでいいんじゃない?」
もちろん、その考えが間違っているわけではない。
頑張りすぎて体を壊してしまっては意味がないから。
無理をしないことも大切だ。
ただ、今振り返ると、その時の自分は『大変さに共感する』ところで思考が止まっていたように思う。
相手の気持ちには寄り添えていたかもしれない。
でも、その大変さをどうすれば減らせるのかまでは考えられていなかった。
今ならこう考える

施設長になってから、同じ話を聞いても少し考え方が変わった。
もちろん最初に思うことは同じだ。
「ほんと仕事って大変だよな。」
でも、その次にこんなことを考えるようになった。
「介護の仕事のどんなところに大変さを感じているんだろう?」
「身体的な疲れなのかな?」
「精神的な負担なのかな?」
「人手不足?」
「業務量?」
「新人だから覚えることが多いだけ?」
そしてさらに、
「質を落とさずに無理をしない働き方はないかな?」
「業務の流れを変えられないかな?」
「記録の方法を改善できないかな?」
「もっと相談しやすい環境を作れないかな?」
そんなことを考えるようになった。
施設長という立場になると、不思議と視点が変わる。
目の前の出来事を個人の問題として捉えるのではなく、仕組みの問題として考えるようになるのだ。
もちろん、すべてを解決できるわけではない。
介護の仕事は人を相手にする仕事だから、どうしても大変な部分はある。
それでも、「仕方ない」で終わらせるのではなく、「何か改善できないか」を考え続けることが管理者の役割なのだと思う。
現場で頑張る人へ

もし今、仕事が大変で休みの日は寝てばかりだという人がいたら、まず知ってほしいことがある。
それは、あなたの頑張りが足りないわけではないということだ。
介護や医療の仕事は、想像以上にエネルギーを使う。
体力も使うし、気も使う。
利用者さんや家族さん、職員同士の関係など、目に見えない疲労もたくさんある。
だから疲れて当たり前だ。
休みの日に何もできなくても、自分を責める必要はない。
ただ、もしその状態がずっと続いているなら、一人で抱え込まないでほしい。
上司や先輩に相談してみる。
業務のやり方を見直してみる。
少しだけでも負担を減らせる方法を探してみる。
働く人が元気でいることは、利用者さんに良いケアを提供するためにも大切なことだからだ。
まとめ

新しいスタッフさんとの何気ない会話から、自分自身の変化に気付かされた。
以前は「大変だよね」と共感するだけだった。
今は「どうすれば大変さを減らせるだろう」と考えるようになった。
立場が変わると見える景色も変わる。
でも、変わらないものもある。
それは、現場で頑張っている人たちへの感謝の気持ちだ。
介護も看護もリハビリも、一人ひとりの頑張りで支えられている。
だからこそ、頑張る人が少しでも働きやすくなる環境を作っていきたい。
そんなことを考えた、ある日の更衣室での出来事だった。





「休みの日は疲れて何もできないです。」