こんにちは。「おつかれさま日和」です。
朝のフロアに軽快な音楽が流れはじめると、空気が一変する瞬間があります。
そう、それはラジオ体操の始まり。
「第一体操、よーい…」の声に合わせて、自然と立ち上がる利用者さん、座ったままでも手を動かし始める方、そして職員の私たちまで、なんとなくその場の雰囲気にのって動き出してしまう――そんな場面、ありませんか?
ラジオ体操で起こる小さな奇跡
身体が覚えている“生活のリズム”
ある高齢の利用者さんが言っていました。
「子どもの頃から朝はラジオ体操だよ。体が勝手に動くんだよね。」
たしかに、ラジオ体操って、私たちの世代を超えて染みついている生活の一部のような存在。
特に高齢者世代にとっては、戦後の復興期からずっと一緒にあった“健康づくりの象徴”でもあるのです。
だからこそ、自然に身体が反応してしまうのかもしれません。
ラジオ体操の効能、実はすごい
作業療法士として現場にいると、ラジオ体操にはいくつもの効能があると実感します。
- 関節の可動域をまんべんなく使う構成
- 深い呼吸を伴う動きでリラックス効果
- 全身運動で血流がよくなり、覚醒が促される
しかもたった3分でこれだけの効果。
短時間でも、これを毎日続ける習慣は本当に意味があると思います。
スタッフも一緒に動くことで、生まれる一体感
介護職や看護職って、忙しさでつい「体操の時間=業務のひとつ」として見てしまうこと、ありませんか?
でも、たまに一緒になって手足を動かすと、なんだか気持ちがほぐれるんです。
「職員さんも頑張ってるね」
「わしより上手(笑)」
利用者さんからそんな声が飛んできて、思わず笑顔になったり。
リハビリの一環としてだけでなく、人と人との関係をつなぐ時間としても、ラジオ体操って大切なんだなと思います。
音が鳴ると体が動く“条件反射”のすごさ
認知症の方でも、ラジオ体操の音楽が流れた瞬間に身体を動かし始めることがあります。
長年の習慣が、脳に深く刻まれている証拠。
音楽やリズム、反復された記憶は、記憶の中でも特に残りやすいと言われています。
それだけ、ラジオ体操という文化がもつ力は大きいんですね。
「ちょっとだけでもやってみよか」から始まる一日
すべての利用者さんがしっかりと参加できるわけではありません。
でも、「できることだけ」「ちょっとだけ」と伝えると、意外と参加してくださる方も多いです。
完璧でなくてもいい。
朝に体を少しでも動かすこと、それが今日を始めるエネルギーになる。
そして、それを一緒に支えるスタッフにも、ほんの少し心の余裕が生まれる。
今日も、ラジオ体操から
朝のたった3分で、フロアの空気が変わる。
利用者さんとスタッフが同じリズムで動くことで、チームの一体感も生まれる。
ラジオ体操が流れると、みんなが動き出す。
それは、音楽の魔法であり、人と人がつながる瞬間でもあるのかもしれません。
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今日も、気持ちのよいスタートを。